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2015年 06月 05日
コンセルトヘボウ大ホールの内装は、深紅、薔薇色、純白で構成され、間接照明が効果的に施されている。
子供の頃持っていたLPのジャケットはモノクロの写真だったし、世界でも1、2を争う音響の良さ(観客なしで残響2.8秒)は木製の内装によるものだと聞いていたので、木をふんだんに用いた(紀尾井ホールみたいな)のを想像していたのだけれど、実際は何とも優雅で可愛らしい色調だった。 まだ時間もあるし、次回訪れる際(もしあれば)の席選びの参考も兼ねて、さまざまな角度からステージを眺めてみる。 まずは客席前方。事前のリサーチで把握していたとおり、このホールの舞台は他のホールと比べてもかなりの高さがある。 最前列付近に座った人はずっと上を眺めているわけで、首が痛くなるのではないかしら。というか舞台は殆ど見えないのでは・・・? 次に二階席へ。構造上、二階席の音響もかなり良いらしい。舞台もよく見渡すことができて、いいかも。 二階席裏手の次の間。まるで宮殿のようなしつらえ。まだ人影は少ないけれど、ここもドリンクコーナーとして使用されていた。 ステージ後方にも客席が設けられている。あわてて撮影したのでブレてしまった。演奏の様子がつぶさに眺められるという利点があるけれど、舞台横や後方の席は、個人的には白けてしまうのでNGかな。 というわけで、一階中央の自分の席へ。開演時には満席となり、会場には熱気が溢れていた。 この日の演奏はもちろんロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。演目は、前半がショスタコーヴィチのバイオリン協奏曲で、ソリストは前々日にマスタークラスを聴いたレオニダス・カヴァコス。マスタークラスでは指導者としての立場だったけれど、この日は世界屈指の演奏家として本気を出した姿が堪能できた。ショスタコーヴィチの音楽はかなり前衛的な要素が多いけれど、演奏に引き込まれ、しっかり音楽に集中できた。 休憩を挟んで、後半はワグナーのオペラ管弦楽曲を中心とした構成。イースターシーズンということで「パーシヴァル」から数曲、そして「指輪」から数曲、締めが「マイスタージンガー」序曲。せっかくアムステルダムにいるのだから「さまよえるオランダ人」とか、華々しい「ローエングリン」を聴いてみたいと思ったけれど、今まであまり馴染みのなかったこれらの曲目も、事前の予習が功を奏して十分に楽しむことができた。 演奏も音響も評判どおり素晴らしかった。終盤の大盛り上がりのところでは、床からも演奏の振動が伝わってきて、足の裏がビリビリとした。こんな現象、いままで体験したことがない!と感動したのだけど、ヨーロッパの木造コンサートホールではよくあることなのかしら。 すべての要素が満点のこのホール、ぜひまた訪れてみたい。
by losange_jp
| 2015-06-05 21:50
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